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演劇ラボ・アンクラウン様/第三回公演「沈黙の牙」観劇レポその②

前回のレポ①を書いてから結構日が経ってしまいました。

元々ベースの文章は実は観劇翌日に書いていたのですが、字書きは基本書いた原稿を数日寝かせてから確認するのが常なのでご容赦いただきたいなとか思ったり。一応、失礼が無いかどうかもチェックしないと後から読み直して頭抱えることになったら自分としても悲しいので……。

さておき、続きと参りましょう。


お次はアタスンの助手のフェリス(福家正洋さん)。

初見からしてインパクトの強さに目を引いたのは勿論ですが、ご本人のお人柄なのか?コミカルな演技がとても板についていらして、所々くすっと笑わせていただきました。しかし頭いじられるのはやっぱりタブーらしい。(スダチくん……)

アタスンの説明を促す台詞では観客の疑問の代弁者でもありました。

何より演じ手である俳優さんの口調が楽しくて、騒ぐところ、お茶目なアクションを取るところと緩急が素晴らしく、普段も楽しい方なのだろうなと観ていて気持ちが明るくなりました。

この方が出られるコメディ作品ならきっと、お腹を抱えて笑って世俗の嫌なことをさっぱり忘れられそうだな、と。たぶん今の時代多くの方が求めている空気をお持ちな気がします。

ただ逆に、コミカルな演技が自然だからこそ、それを裏切るダークなタイプの役どころも観てみたいなぁと強く思いました。

もしも沈黙の牙の続編があるとしたら、肉食とされる猫である彼は一体どうなっていくのだろう……草食と肉食が対立した時、仲間を取るのかそれともアタスンを取るのか、等々小説書きな私は想像が膨らみます。


次はジキル様の執事であるプール(森脇健一郎さん)。

見た瞬間からえ、うわ名優がおる!と驚いたのですが、何より一番衝撃だったのはその立ち姿にあります。

浮かんだ言葉は品格。執事然としたお姿には登場毎に視線が無意識に惹き付けられました。吸引力が凄いと言えばわかりやすいでしょうか。

かつてテレビドラマのシリーズで「バイプレイヤーズ」という六人の名脇役がシェアハウスで暮らす番組があったのですが(出演者は大杉漣さんや松重豊さん、遠藤憲一さん等)そちらに登場された方々を彷彿とさせるような深みと味のある演技は「この方が出る作品を他にも観たい!」と思わせる底の知れない強さを感じました。

こういう方がいらっしゃると、物語に一層の重厚感が出てすごく良いですね。

ある一定の年齢を重ねた男性陣が沢山出てらっしゃるお話(時代劇等)が死ぬほど好きなので、いつか素敵な男性陣によるダンディ紳士だらけの演目も観てみたいなぁ……と思いました。

(こちらはXにて呟きましたが、様々な職業を引退したオジ様達がヤバい事件を解決するお話とか観たいです……大麻の匂いを知っている元警察官とか、現場に落ちてた刃物の刀工を熟知してる廃業した魚屋さんとか、科学知識豊富な元小学校理科教員とか…!すみません脱線しました)

それはさておき斧?めちゃめちゃ似合っておりました……紳士なのに荒ぶる感じが素敵です。


そしてお次はウサギちゃんです。はいウサギちゃんです。

どえらいええ声した美少女おるな、と思ったウサギちゃんです。

(ここはもうウサギちゃんと呼ばせてください可愛かったので)

演者様のお名前は暁月セイラさんです。

第一声から「ええ声!」と脳内で叫んでしまった私です。

私自身が某声優さんの大ファンであり、長年ラジオリスナーとして公開録音の「ごめりんこハガキ」すら持っている割とガチ目の声優さん好きなのですが、ウサギちゃんのお声には速攻で耳がダンボになりました。(すいませんアニメとか見るとキャラを声優さんの名前で呼ぶ人間です)

後からアンクラウン様のXにてキャストビジュアル一覧にbell声優ゼミナール様と記載されているのを発見し、だから良い声なのね!と画面前でヘドバンな勢いで頷きました。

清楚・清純をそのまま音にしたようなお声には大変耳が幸せでございました。

ただ話中に薄い本の話が出てきた時は「何だお仲間か……」と謎の安心感が強烈に襲ってきました。いえ役どころのお話ですが。

ところどころお話の補填役となっていたウサギちゃんですが、ジキル様(この場合ハイド化した状態の)との過去話をされる際の語り方はとても真に迫っていて、尚且つ抱えた哀しみや希望めいた光も感じさせてくれて、演技自体も素晴らしい方だなと感じました。

(この方すごく気になったので、後からアンクラウン様のHPで過去公演の役どころなどを見に行ったのですが、第二回公演の「アイの島」でのキャストビジュアルがなんというかもう……え?これは殺しにきてますか?どストライクにも程があるのですが?ってめちゃくちゃ見たかった和服美少女おおおおお(しかもええ声)と魂の咆哮を上げました。再演無いですかねアイの島……原作宝島だし……めちゃめちゃ観たかった……そもアンクラウン様を知ったのが今回の公演でなので、本当にもっと早くに知りたかったと過去の自分を往復ビンタしてやりたい気分です)


そしてお次は割と時々恐っ……!となった刑事さん、と相棒様、について書く予定でしたが、こちらのお二方について書くとなるとかなりお話の核心に触れることになってしまうのですよね……さてどうしよう。

刑事さん(丸山裕介さん(劇団まんまる様))については本当に……ちょっと背筋がざわっとする部分があったのですが、そこら辺書くとネタバレ……再演とかあれば本気でネタバレになってしまう……それにしても真意の見えない役がものすごくお似合いで、どことなくラスボス感が漂っておりました。オラオラ系のドスがきいた感じがはまり役過ぎて、最後にご挨拶で出てきてくださった時の笑顔にものすごく安堵しました……良かった優しそうな人だった……。

(恐い役どころの方が演技終わってから普通に笑ってくれたりすると何だか嬉しいというか、ちょっとときめきますね)

そもそもこちらの沈黙の牙のお話自体が結構ぞわぞわ来るシーンがあったりするのですが、むしろそこが予想外で観客の心を鷲掴みにするので、再演があればぜひ前情報は最小限で行ってもらいたいなぁと個人的には思います。


と、演者様方については以上となります。


他の方についても全員書きたい気持ちはあるのですが、観劇翌日に書いた文章が刑事さんまでなのと、私の記憶だけでは曖昧な部分もあるのでこれ以上は割愛もしくは再演があればお楽しみに、ということにさせていただきます。


最後に、アンサンブルパフォーマーさん方(ダンススクールStudio Camellia.様)の生徒さん方だそうなのですが、本当にダンス素敵でした。小さい子達も可愛くて、見ていて凄く微笑ましかったです。

なのにしっかりダンスに雰囲気があって、ダンスのダの字も知らない私ですら空気に呑まれてしまいました。


そして、これは今回特別に書いておきたいのですが、当日私が生まれて初めて「舞台に立っていた人に写真撮影を申し込む」というある意味自分の人生的には暴挙というか、帰宅してからも信じられん……と放心してしまったくらいの行いをしたのですが、こちらの舞台に出ていらした方でお一人、始まりから最後まで、気が付いたら目で追ってしまっていた女性がおりました。

(今の世の中物騒なので、どの方であったかのお名前や所属等の詳細は省きます。あまりにお綺麗過ぎるので……!)

もう何と言えば良いのか……頭身が大変なことになっているというか、本当に同じ人間ですか?というほどの超絶美しい方で、舞台ではひとり後光が差したかのように光り輝いていらして、あまりの存在感にもう吃驚して吃驚して、見た瞬間から私のテンションがおかしくなってしまいました。(帰宅してから息子にどん引きされました)

もしもこの方が表現の世界で着実に力をつけ、頭角を現した時、きっと世界はひっくり返るだろうなという不思議な期待感と高揚感が混じったような、そんな感覚に私自身驚きました。(リアルガラスの仮面かと思いましたよ本当に……!)

公演一日目の演技終了後に、全然知らない変なおばさんから写真撮影を申し込まれた方がおられましたら、そのおばさんは私です。

あの時は写真撮影に快く応じていただき誠にありがとうございました。


(念のため記載。スマホで撮影していただいた画像につきましては決して流出・悪用等は致しませんが、もしも削除して欲しいなどのご要望がございましたら、XのDMもしくは私個人のホームページにあるメールフォームにてご連絡くださいませ。昨今の状況を踏まえると、他人との写真撮影は慎重になって然るべきと思いますので、どうぞお気軽にお知らせくださいね)


末尾に総合感想といたしまして、演劇ラボ・アンクラウン様の第三回公演「沈黙の牙」を観劇してからというもの、詰まっていた水が突然流れ出したかのように、自分でも驚くほど創作意欲が湧き上がっています。

演劇とはこんなにも影響するものなのか、いえそうではなく、きっとアンクラウン様の舞台だったからこそなのでしょう。

本当に良い刺激をいただきました。深く深く、感謝しております。


今回の観劇で、地元の方がこんなにも頑張っているんだ、と知れたことも何よりのご褒美となりました。

私も頑張らねば、また絶対に紙の本を出すのだ、と改めて身が引き締まる思いです。


演劇ラボ・アンクラウン様の次回舞台を楽しみにすると共に、今後のご活躍を心からお祈りしております。


感情が揺さぶられる素敵な舞台を本当に、ありがとうございました。



 
 
 

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