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演劇ラボ・アンクラウン様/第三回公演「沈黙の牙」観劇レポその①

今月8日土曜日、前月にたまたまネットで見かけた告知をきっかけに演劇を観に行ってきました。

動機はここ三年ほど新刊が出ていないことだったり、執筆速度が大幅に落ちている事だったりに対する悩みなど色々。

とにかく何か新しい刺激が欲しくて、そういえばサブスクの映像では舞台系を観てはいるものの、リアルでは学生時代以降観ていないなぁ、と思い出し、尚且つ告知画像がものすごく魅力的だったのもあって「よっしゃ行くか!」と私にしては珍しく行動意欲が掻き立てられたのです。(普段は基本的に仕事以外引き籠もり)

場所は鴨島公民館。こちら初めて訪れる場所でした。名前は知っていたのですが、そもそも引き籠もり……ではなく、鴨島だと公民館よりは市民プラザの方が私にとっては馴染み深かったのもあります。あちらの図書室に時々出没しています。

さておき、行ってみて驚いたのが建物がまあ大きいこと。私の在住地にある公民館の何倍あるんだ?というくらいの大きさで、駐車場が広いのもすごく好印象でした。(私のように運転が下手な人間にとっては車止めやすいのとてもありがたい)

開演は16時からで、受付が15時30分開始だったのですが、びびりなせいか早め早めに、と行動してしまい、フライングして15時に到着。ひとまず受付の場所を確認しようと行ってみたところ、準備していたお姉さんに「すいません15時30分からなんです~っ!なるべく急ぎますので……!」と謝らせてしまう始末。

いや、早く来すぎてこっちこそ誠に申し訳ございません……。それにしても受付のお姉さんのうち、階段を上ってきた私から見て左側のお姉さんがものすごく丁寧な素敵な方でした。

(この後、受付開始時間になり再度お会いしたところ、覚えていてくださったのか、「あ!」って感じの表情をされた後にめちゃめちゃ素敵スマイルで「どうぞ!」と呼んでいただきました。お姉さん、ぜひとも宝くじ当たって欲しい。幸あれ)

ともあれ開始時間までは公民館前にある水際公園を散歩してきました。これまた良い散策スポットなんですよねぇ……ここ知らなかったのちょっと勿体なかったなという気がします。桜の名所として有名だそうで、お祭りも催されているのだとか。

水際公園というだけあって目の前には江川という川が流れているのですが、のんびり泳ぐ鴨の姿には大変癒やされました。また風にそよぐ大きな柳が水面に映る様はなんとも風情があります。他に小さな滝の流れや飛び石なんかもあり、大人から子供まで存分に楽しめるすごくセンスの良い作りになっていました。こちらを作られた会社さん、まさしく匠かと。

公園内では犬の散歩をしている方や、お子様連れの方、近くの学校の生徒さんなんかがちらほらいらして、けれども静けさもありとても良い雰囲気の場所でした。

今度こちらに小説書きに行きたいなと思っています。

さて、時間となり無事に素敵な受付さんのおかげで意気揚々とホール入りした私です。

(チケット代は前売り券1000円・当日券1500円でした。私は当日券。にしても破格……)

その際既にお客さんの列が出来ており、受付開始すぐに来た私ですらたぶん15人目くらい?だったかなと思います。人気のある劇団さんなんだなぁと少々圧倒されました。

おまけにホールに入ってすぐ思ったのは「広っ!」の一言。

鴨島公民館の公式サイトでホールの収容人数を調べてみたところ、何と615人だそうです。地方のホールにしてはすごいと思うのですが如何でしょうか……。(しかもスタッフブログ見たらスタインウェイピアノあるって。ここ本当に鴨島……?)

ホールの広さに驚きつつも良い席がどんどん埋まっていくので私も慌てて席に着きました。観客の年齢層はご年配の方から子供さんまで様々。かといって五月蠅くはなかったです。良いお子様達だった。感謝。

ホールの目の前にお手洗いがあるので開始前に済ませたところ、席について数分後に観劇についての注意事項タイムとなりました。

突如現れるハイカラなお姉さん。頭上の赤い羽根がふわふわしております。また口調が独特でものすごく面白い。そして可愛い。え、何この人好き。(AYUMIさんという方でした)

と第一印象から引き込まれたところで流れるように舞台が始まりました。

告知画像から「ジキルとハイド」をテーマとしていることは知っていたのですが、他の前情報は一切無しで観劇に臨みました。

が、動物社会であること、そして肉食草食についてのあれこれについては、アニメBEASTARSを視聴済みの私はXでも呟いた通りマッハ0.5秒で理解出来ました。

その時点で絶対これ面白いぞ、とわくわくが止まりません。そも「ジキルとハイド」を原作ご存じの方は、どういう絡め方をするであろうかある程度は予測できるかなと思うのですが、逆に言えば、予想をリアルに体験できるこの臨場感はおそらく観劇ならではかなと。

(ジキルとハイドをご存じで無い方に簡単に説明。

弁護士アタスンにはジキルという医学博士の親友がいました。

しかし、昨今夜に暴れ回っている不気味男「ハイド」に、この親友ジキルが脅迫されている可能性が浮上。ゆえにアタスンはハイドを追います。

けども蓋を開けてみれば、ハイドはジキルが薬で変身した姿だったよー、という話。あとはwikiろう!)

こちらの原作、どの翻訳を読むかで色々と考察が変わったりするので、観劇後に興味の出た方は読んでみても良いかもしれません)

お話はお世辞抜きで面白かったです。ちょっと若い方向けだったかなーくらい。お子様で泣いている子はいなかったように思います。

ですが今後再演などあった場合にこちらに物語の詳細を書いてしまうと完全ネタバレになってしまうので、ストーリーを全部書くのはやめておきます。

(単純に一度しか観えてないので考察不足なところもある。もう一回観たかった……)


それでは、キャラについて感想をば。

まずは最も目が惹き付けられたモグラの親分さん(齋藤定彦さん)。

こんな格好良いモグラがいてたまるか……!と脳内で突っ込みを入れてしまうほど、仕草、声量、アクション、すべてが神がかっていました。

え?私今日1500円でここ入ったよね??は????と低すぎる価格と超絶演技力が見合っていないのではと逆クレームが飛び出るところでした。あと五千円ほど出させてください……(この日財布に残ってたのがこれだけだった)でも本気で課金したかった。

思いもよらずとんでもないものを見せていただきました。にしても何……あのアウトローでロンリーっぽいのに仲間思いで依頼はきっちりこなすぜ!的な義理も人情もプライドも兼ね備えた完璧イケメン……これはやられるわ……。

(後から知ったのですがゲストさんでした。有名な方だそうで首を縦に百万回振るほど納得)

モグラの親分の結末についてのシーンでは脳内で「おやびんんんんーーーっっ!!!」て大絶叫しました。親分のスピンオフが観たかったよぅ。


次に、同じくらい目が釘付けになったジキル様(慶徳さん(劇団まんまる様)。

いやもう初見で「うっわ病みオジ最高……!」ってなりましたよね。異論は認めません。絶対私の他にもなった人いると思います。いるはず。(断言)

なんですかあの魅力大爆発されているお方は。お声の雰囲気もすべてが最高なんですけど。何のご褒美かと思いました。元々マッドサイエンティスト系が大好きではあるのですが、ここまで俳優さんに似合ったキャスティング早々観られません。キャスティングしてくれた方に死ぬほど感謝したいです。有り難う御座います神の采配者よ……!

「ジキル博士」というほどなので博士感がまさにジキルには必要だと思いますが、これが本当に……!めちゃめちゃ出てる……!ちょっと俯きがちだったり偏屈そうな声の出し方とか、前には出ないけど言うことは言う的な感じがとてつもなくジキル……!

それにジキル氏、割と良い性格してらっしゃると思うんですよね原作的にも。闇のインテリというか。動物は狼という設定でしたが、狼にもやや暗いイメージが童話にしても何にしても付き纏うので、慶徳さんのジキルは他に類を見ないほどジキルだったと私には思えました。何よりあのしゃべり方なのに難聴持ちの私ですらしっかり聞き取れる……!一体どういう発声方法なのでしょうか?俳優さんって凄い。ジキル様最高。


お次は病みオジがジキル様なら闇オジであるハイド様(中野遼太さん)。

闇オジと私は断定していますが、おそらく俳優さんご本人はお若い方……?なのかな?

齋藤定彦さんとのアクションの掛け合いがもう声も出ないほど圧巻で、駆ける姿や飛ぶ姿はまさしく森を駆ける夜の狼、という感じでした。

狂気めいた雰囲気はあるものの、ハイドはハイドとしての論理で動いているのだと感じさせる迫力が物語の根本を強烈に引っ張っていく様は全編において深みと凄みを与えています。

何より衣装といいご本人といいとにかくかっけぇんです。

渋いんですがワイルド格好良くてどことなく品があるんですよ。振り返る瞬間だったり背中を向けて歩いていく姿だったりにそれを感じました。


それから絶対に外せないのがアタスン(須見一男さん)。

ジキルとハイドにおいては最も重要な登場人物でもあります。

須見一男さんのアタスンは耳心地の良い声の高さや語り方はさることながら、説明口調が「自然」であったことが一番物語に没入させる威力だったように思います。

(これとてつもなく難しいことだと思うのです。説明を説明だと感じさせない。あくまで物語として観客に気づかせないようにお話を進めるのは技術があってこそだと思います。)

なにより、アタスンの背筋が常時真っ直ぐで、姿勢の良さや所作の上品さが説得力を強く醸し出していたように感じました。

(ジキルとハイドは英国作品なので、英国紳士らしさはこの物語では大変重要なポイントだと思います)


とここまで書いたところでどえらい文字数になったので今回はここまでにします。

他キャストさんにつきましてはまた次回その②で書くことにします。

助手さん猫って一応肉食だよね、とか。ウサギちゃん声めっちゃ良いなと思ったら声優ゼミナールって書いてある!とか。執事さんやっばいバイプレイヤーですねとか。刑事さんとかその相棒さんとか全員書けるかな。指が死ぬかもしれぬ。

だが書きたくなるほど刺激になったのですよ。ありがたや。

 
 
 

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